大西みつぐ最新写真集『川の流れる町で』刊行いたしました
★弊社在庫分は完売いたしました。
下記の店舗にて販売しております。
・Nadiff BAITEN(東京都写真美術館2F)
・shashasha 写々者(オンラインショップ)
2018.1.17現在
[祝]大西みつぐ先生「2017年日本写真協会賞作家賞」受賞!
ふげん社出版第一弾として、大西みつぐさんの最新写真集『川の流れる町で』を、2016年11月1日にふげん社より刊行いたします。
代表作「Wonderland」(1980〜2006)を始め、東京の下町を長年撮り続けてきた大西さんですが、均質化されていく下町の風景に対し、いつからか「喪失感」を覚えるようになったそうです。馴染みの場所のはずが、以前と同じ感覚では歩くことができなくなってしまった。そこで、「荒川」という一本の川の流れをたよりに、大西さんはふたたび歩き始めました。
これまでと地続きの下町シリーズとしては、「これが最後かもしれない」とのこと。東京の「今」を、荒川流域から映し出す、大西みつぐさんの最新写真集、必見です。
初版300部の発行です。お早めに、お買い求めください。
2017年3月開催の写真展に際し、写真評論家の飯沢耕太郎氏より推薦文を頂戴しました。
◉『川の流れる町で』推薦文
剥き出しの川と街と人
飯沢耕太郎(写真評論家)
岩淵水門から旧中川河口に抜ける荒川放水路の工事が始まったのは1913(大正2)年。17年間にわたる難工事がようやく完成したのは1930(昭和5)年だった。それ以来、東京の下町を南北に貫く全長22キロ、幅約500メートルの「川」は、その地域に住む人たちにとって、いわば原風景というべきものになった。
江東区深川に生まれ、同砂町、江戸川区臨海町で暮らしてきた大西みつぐにとっても、荒川放水路(現荒川)は、気がつけば常にそこにある大きな存在だったのではないだろうか。今回ふげん社から写真集として刊行され、写真展も開催される「川の流れる町で」は、単純に川と町の眺めを写しとめたというだけでなく、彼自身の過ごした日々の記憶を背負いながら、この地域の現在と未来とを立ち上がらせようとする気迫のこもったシリーズとなった。
シリーズの全体は「放水路」と「眠る町」の2部に分かれる。「放水路」では荒川そのもののたたずまいに直接カメラが向けられ、「眠る町」ではその対岸にある八広と四つ木という二つの町を行き来しつつ、路地の隅々にまで目を届かせた。下町の写真というと、人の匂いのする光景を情緒的に捉えることが多いが、大西のこの仕事ではそんな感傷はきっぱりと切り捨てられている。むしろ剥き出しにされた川と町と人の姿が、痛々しいほどの切迫感で写り込んでいるのだ。彼が写真集のあとがきに記しているように、そこには「東日本大震災後の東京臨海部の風景が無防備に晒されていること」に対する、強い危機感が投影されているのではないだろうか。
大西の写真は、このところ批評的なドキュメンタリーとしての側面を強めつつある。もし20年後にこれらの写真を見直すとすれば、そこに2010年代半ばの「いま」の状況が、生々しく露呈していたことに気がつくだろう。
◉商品概要
大西みつぐ写真集「川の流れる町で」
価格:3500円+税
仕様:270×227mm、96ページ
フルカラー、並製本
解説 池谷修一
英訳 John Sypal
初版第一刷 300部
2016年11月1日発売
発行:ふげん社
ISBN:978-4908955006
大西みつぐ(第18回木村伊兵衛写真賞)の最新写真集。
これまでの作品を支え続けてきた「川の流れ」は2011年の東日本大震災以後、写真家のまなざしに変容をもたらした。荒川の日々をつづった「放水路」、ある地点での両岸の町を徘徊した「眠る町」の2章からなる。
「緻密極まりない描写とともにつきつけられる剥き出しの町。ここには明日を抱いた昭和の燃え殻があるわけではなく、そのままの東京がある。」(解説 池谷修一)
ラフ・グロス高級印刷紙「エアラス」使用、印刷やデザインにもこだわりある一冊。
ご予約の受付は終了いたしました。(2016.11.1更新)
◉ご予約方法
<予約特典※10月31日(月)締切>
10月31日(月)までにご予約いただいた方には、もれなく写真集にサインをお入れします。
さらに、先着10名の方には大西みつぐさん謹製・荒川河口のブループリント(複製)の特典あり。4×5カメラに感光紙を入れ長時間撮影。140×170ミリ、サイン入り。
なお、先着特典の結果は、発送・受け渡しをもって代えさせていただきます。個別の問い合わせにはご対応いたしかねますので、ご了承ください。
1.通販でのお申し込み(発送対応)
発送ご希望の方は専用フォームよりご予約ください。
送料を500円頂戴しております。
ご入金いただいた方から、11月1日(火)以降順次発送の手配となります。
2.店頭受け取り
近隣の方は、発売日以降「ふげん社」店頭で商品を受け取ることも可能です。商品受け渡しの際に代金をお支払いください。
店頭受け取りをご希望の方は、氏名・電話番号・予約冊数を、メールかお電話でお知らせください。
メール:info@fugensha.jp 電話:03-6264-3665
「コミュニケーションギャラリーふげん社」
住所:東京都中央区築地1-8-4 築地ガーデンビル2F
最寄り駅:築地駅、新富町駅、東銀座駅
営業日:火曜〜金曜 12時〜19時 土曜 12時〜17時
◉写真集制作風景

ふげん社にて校正チェック(10.14)

渡辺美術印刷にて工場立会い(10.19)

渡辺美術印刷工場長、デザイナー土屋哲人さん、大西みつぐさん、同社副工場長
◉作家プロフィール

撮影 池谷修一
大西みつぐ
1952年 東京深川生まれ
1985年 「河口の町」で第22回太陽賞受賞
1993年 「遠い夏」ほかで第18回木村伊兵衛写真賞受賞
個展企画展多数
著書に「Wonderland」「遠い夏」「下町純情カメラ」「昭和下町カメラノート」など
日本写真家協会会員・日本写真協会会員
大阪芸術大学客員教授
ニッコールクラブ顧問
◉掲載情報
アサヒカメラ2016年 11月号
TOPICSページにて、最新写真集『川の流れる町で』についての大西みつぐさんのインタビューが見開きで掲載されています。
◉展覧会情報
2016年11月2日(水)ー12月22日(木)
1980年代後半に撮影されたNEWCOASTシリーズ、昨年夏から新たに撮影した「現在のNEWCOAST」と合わせて発表。
11月26日(土) には、トーク「東京、水辺の叙景」と題し、佐藤洋一さん(早稲田大学社会科学総合学術院教授)とのトークショーもあります。
2017年3月21日(火)ー4月8日(土)
大西みつぐ写真展「川の流れる町で」 @ふげん社
写真集の刊行記念展示です。東京川めぐりツアーも企画中?
乞うご期待!